背骨の両脇の“張った筋肉”の正体 ―脊柱起立筋のはたらき

施術をしていると、背骨をはさむように、両側に沿って硬く張っている筋肉に出会うことがよくあります。
「ここ、いつもガチガチで…」とおっしゃる方も多いこの筋肉。正体は、脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)です。今日は、この筋肉がどこからどこについていて、どんな役割をしているのかを、やさしく解説します。
脊柱起立筋って、どこにあるの?

名前は難しそうですが、場所はシンプル。背骨の両側に、縦にまっすぐ走っている筋肉です。ご自分の背中の真ん中、背骨のすぐ両脇を触ると、縦長の“ふくらみ”があるのが分かると思います。それです。
どこからどこまで? 下は、骨盤と仙骨(お尻の上にある平らな骨)から始まります。そこから背骨と肋骨に沿って、上へ上へと伸びていき、最終的には頭の付け根(後頭骨)まで届きます。
つまり——お尻の上から、頭の後ろまで。背骨をまるごと縦につないでいる、長い筋肉なんです。(正確には3つの筋肉の集まりですが、まとめて「起立筋」と呼びます)
どんな役割があるの? 名前の「起立」がヒント。ずばり、体を起こして、まっすぐ立たせておくのが仕事です。
① 背骨を“立てる”(いちばん大事) 人の背骨は、積み木のように骨が積み重なっただけの、意外と不安定な構造。それが倒れずまっすぐ立っていられるのは、両脇の起立筋が、テントの張り綱のように支えているからです。
立っているとき、座っているとき、この筋肉はずっと働き続けています。
② 体を起こす・反らす 前かがみから体を起こすとき、背中を反らすとき。上体を持ち上げる動きを担当します。
③ 前かがみを“支える”ブレーキ ここが、こりに直結する大事なポイント。
体を前に倒すと、上半身の重み(頭+腕+胴体で、けっこうな重さ)が前に落ちようとします。それを後ろから引っぱって、ゆっくり支えているのが起立筋。釣り竿を前に突き出すほど手が疲れるのと同じで、前かがみでいるほど、背中の筋肉は頑張り続けるんです。
④ 体を横に倒す 片側だけ働くと、体を横に倒したり、ひねりを助けたりもします。
なぜ、ガチガチに張るの? もうお分かりかもしれません。起立筋は、ただ立っている・座っているだけでも働き続ける“働きもの”。しかも——
デスクワークやスマホで、長時間前かがみ(③のブレーキが働きっぱなし) 座りっぱなし・立ちっぱなしで、同じ姿勢が続く 反り腰で、腰の起立筋が縮んで張る こうして、休むひまなく緊張し続けた結果、背骨の両脇がパンパンにこわばるんですね。あのお客様の張りも、まさにこれでした。
おうちでできる、かんたんケア 1時間に1回、立ち上がって、軽く伸びをする(縮んだ背中をリセット) 背もたれに寄りかかって、深呼吸。がんばりっぱなしの背中をゆるめる時間を お風呂で背中を温める。血流が戻ると、こわばりがほどけやすくなります 反り腰が気になる方は、お腹に軽く力を入れて、腰の反りすぎを抑える意識を
さいごに 脊柱起立筋は、あなたが立っている間、座っている間、ずっと背骨を支えてくれている縁の下の力持ち。背中がこるのは、それだけ毎日頑張ってくれている証拠でもあります。
「背中がガチガチだな」と感じたら、それは休憩のサイン。ときどきゆるめて、いたわってあげてくださいね😊
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